オンラインEZS3環境帳簿の使い方 I 購入機器編

オンラインEZS3環境帳簿の使用例(購入機器編)です。
日常生活で環境に配慮した機器を購入した場合に、その運転エネルギーや消耗品等を含めてどこに負荷がかかり、機器購入の効果があるのかを知ることができます。ここでは、生ゴミ処理機を例にとって述べていきます。

1. 対象
生ゴミ処理機を取り上げてみました。値段は30,000円、寿命は5年。2Lの容量で300Wの電力消費、水分比率75%の生ゴミを8時間で処理して、乾分を1/3に減量しプランター用の土にします。消耗品は水切りネットと脱臭フィルタで、水切りネットは処理の都度交換し、ポリスチレン製で28cm×25cmで、80枚500円で売っています。脱臭フィルタ13cm×8cm×8cmの400gで、半年毎取替で活性炭からなっており、取替品は2個4000円で売られています。

2. 基準単位
1kgの生ゴミを1回(8時間)で処理するとして、一日0.25kgの生ゴミが発生するとして、4日に1回処理をするとし、その4日分の一回の処理を基準単位とします。
装置は5年の寿命ですから、装置一生涯で5×365/4 基準回分使用することになります。またフィルターは半年に一回の交換ですから、フィルターの交換は(365/2)/4基準単位ごとになります。水切りネットは1基準間1回の使用です。

3. 産出と控除
このシステムから出ていき外に提供されるものと、このシステムを採用することで他でかけていた処理をなくすことでの環境負荷の削減を入れます。

ここでは、プランタン土が「産出」として外部に大教されます。また、この処理機がない状態では生ゴミを外部に出していたのが処理機のおかげでなくなるので「受入控除」として上げておきます。
また、ここには書いていませんが、「無視」するやりとリも「品・役務名」には上げておいたほうが、後で本格的にLCAをやるときに役に立ちます。(数量をブランクにしておけば計算には組み込まれません。)

4. 投入

この装置への投入をリストアップします。

設備も投入の一種です。また、廃棄物処理などの「処理」も、役務の投入と考えて投入のリストに加えます。これらは後で数量(場合によっては価格)を入れねばならないものです。しかし、物流の管理を行っている企業でしたら、リストアップや数量。価格のリストアップはそんなに難しくないのではないでしょうか。

5 産業品目細目コードの割付
ここで、これまで経験のない新しい作業が発生します。それはリストアプした「品・役務名」を最も近いと思われる「産業品目細目」に割り付け、そのコードを与えることです。これにより、上記のりストスアップした表は、次のようになります。

これは、産業品目細目について整理した産業波及を考慮した環境負荷(ここではCO2と関与物質総量)のデータベースを用いるために絶対に必要な作業です。
産業品目細目は産業を約3600細目に分けたもので、基本的には、我が国の産業はこのどれかの項目に該当します。さらに、エネルギーと廃棄物処理については差のプロセスのCO2発生も考慮した計算値が使えるように拡張しています。この表は、オンラインEZS3環境帳簿からダウンロードできるエクセルのサンプルにもつけてあります。
少々面倒かもしれませんが、この作業で関連産業への波及も勘案したデータが使えますので、ひとつひとつきちんと割り付けていきましょう。
また、この細目によってその品目の量を記載する単位が決まります。それがG列の単位です。この単位に合わせてそれぞれの品・役務名の量を入れていくことになります。
細目の量単位が重量等の場合には、その単位あたりの平均価格が書かれているものがあります。それを参考価格に入れておきましょう。これは後述する、「同じものだが値段が大きく違う」物の場合に役に立ちます。

6 量の書き込み
ここでいよいよ量を書き込みます。

この量は2で述べた「基準単位」あたりのものになります。また量の単位は割り付けた細目で使われているものと一致させねばなりません。そのためには計算も必要ですので、表のL列より右はオンライン計算には使いませんので、そこに計算方法などメモを書いておくと良いでしょう。
ここまでで基本的にエクセル表は完成で、オンライン計算に使えますが、より現実に近づけるためにも少しやることが必要な場合があります。

7. 単価レベル(必要ならば)
 産業品目細目で割り付けて、そこにある参考単価を見ると自分たちの対象としているものと価格が大きく違う場合があります。例えば金属や化学品、電子関係部品などです。これは、同じ品目でも純度の管理レベルや集積の複雑さ、加工の精度などが異なって、平均のものより高度なものを使用している場合に起こります。その場合I行の「単価レベル」に価格が平均の2倍のものなら2,10倍なら10とおおよその倍率を入れてください。価格の違いの倍率の分だけ多くのエネルギーや資源が投入されていると仮定して計算する仕組みにしています。(もちろんこれはおおよその負荷を把握する簡易版だからできることで、本格LCAではきちんとプロセスを追いかけることが必要です。)
なお、この生ゴミ処理機の場合は、そのような違いはわかりませんでしたので、ブランクにしてあり、その場合平均的な物品、役務(=1)として計算する用になっています。

8. エクセルシートの調整と保存
こうして投入や数量を記載したエクセルシートのシート名を「run」にします。
ファイルに適当な名前をつけて保存してください。その際、シートは何枚あっても問題ありません。ただ計算に使うシート1枚にはrunという名前でなければなりません。

9.  オンラインEZS3環境帳簿
オンラインEZS3環境帳簿(https://lca.sdgoods.net/code/EcoCheckGO.html)を開きます。
次のようなページが出てきます。

この、「Drag and drop a file or click」の部分に、先程作成したファイルをドラック&ドロップします。うまくいくと一瞬小さなボックスにファィル名が記載されたものが表示されます。 なかなかうまくドラッグ& ドロップできない場合や、なれていない場合は、その四角をクリックしてください。ファイルのエクスプローラが出てきますので、そこからファイルを選んでください。
準備ができたら「送信」をおします。ほんの数秒で別ウインドウが開き、結果がダウンロードされます。
別ウインドウで、「ファイルがアップロードされていない」旨出てきた場合は、ドラッグ&ドロップがうまく言っていなかった場合ですので、また再度試みてください。
別ウインドウで、少しわけのわからないメッセージが出ますが、これは日本語対応させたためについてきたもので、見にくいでしょうが無視してください。ダウンンロードされれば問題ありません。 ダウンロードされずに「ファィルの記載がおかしい」といってくる場合があります。もう一度エクセルが例のようになっているか確認してください。

この計算がみなさんのお役に立つことを願っています。

 

 

 

 

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